土地の向きによる家づくりのメリット・デメリット ~北編~

土地の向きのメリット・デメリット、最後は北編です。

北向きの土地の基本的なメリットは、

・駐車場と庭が分離出来ること、

・居住スペースが道路と反対側につくれるため、プライバシーが確保しやすいこと

で、敷地の奥行きが深くなればなるほどその恩恵をより享受しやすくなります。

 

敷地の奥行きが深くなれば、その分、家の南側に庭が確保しやすくなるし、

南側に建つ隣家から充分に距離をとることが出来、かつ居住スペースに南からたっぷりと光が入ることから、

明るくて開放的で、庭と一体感があるリビングダイニングキッチンをつくりやすいからです。

 

それゆえ、プロである住宅会社側では、間口に比べて奥行きが深い北向きの土地が、

全ての土地の中で最も良い土地である、

とも言われます。

 

他方、奥行きが浅い北向きの土地は、南側に建つ隣家との距離が近くなってしまうため、

南からの光が充分に採れなくなるし、プライバシー性に優れた庭も

充分な広さを確保することが出来なくなります。

つまり、日当たりが悪く

暗い/寒い/ジメジメ の三拍子揃った家になりやすく、北向きの土地のメリットである

プライバシー性が高く安全な庭をつくることも出来なくなってしまう、

というわけですね。

 

これが、一般的に誰もが北向きの土地を避ける最大の要因となるわけです。

実際、北向きの土地の多くは、奥行きがそれほど広くないため、

そのデメリットを諸(もろ)に受けやすくなってしまいます。

 

土地の奥行きを深くしない理由は、価格設定はそのままで奥行きを深くとろうとすれば、

その分、間口を狭めるしかないためそうなれば土地が細長くなり、

見た目が悪くなるし、建てる家の自由度が低くなってしまうからです。

 

このような理由から、北向きの土地は南向きの土地に比べて、

安く価格が設定されているわけです。

この“安い”という大きなメリットは、決して見逃してはいけない要素です。

しかし、このメリットを得るためには、

暗くなりそう・寒そう・ジメジメしそう・という

大きなデメリットをクリアしなければいけません。

 

ネガティブな要素を逆手にとる!

例えば、たとえ日当たりが悪いと分かっていても、

どうしてもリビングを南につくりたいとお考えであれば、

リビングを吹抜けにするという解決策があります。

1階の窓に光が射し込まないのであれば、より高い2階の窓から光を採り込めばいいからです。

 

また、リビングの位置を南にこだわらないのであれば、

リビングを南ではなく北に配置し、そのリビングの南面に大きな窓をつくる

という解決策もあります。

南側に建つ隣家から距離が遠くなれば、南からの光をたっぷり採り込むことが出来るからです。

 

このように、土地が持つデメリットを解決することが出来る手段が『設計』であり、

その土地に合わせて間取りを考えることさえ出来れば、たとえ日当たりが悪そうな土地であったとしても、

明るく開放的な住まいをつくることが出来ます。

もちろん、プライバシーも完璧に確保しながらです。

 

北向きの土地も、ただ単に日当たりが悪そうというだけで、

選択肢から外してしまわないように注意していただければと思います。

 

と、4回に分けて土地のお話をしてきましたが、東・西・南・北 どの土地にもメリット・デメリットは存在します。

そのため、メリットを最大限生かし、デメリットもメリットに変えてしまうような設計のご提案をさせていただきます。

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